ロッテグループのお家騒動

■東洋経済
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150803-00079127-toyo-bus_all
日韓を股に掛けた“お家騒動”は、一向に終息する気配を見せていない。日本でも馴染みの深い、ロッテグループの経営権をめぐる争いのことだ。

 今年1月に日本ロッテホールディングス(HD)グループ副会長を解任された重光宏之(韓国名・辛東主)氏が7月27日、創業者である父の重光武雄(同・辛格浩)会長とともにロッテ本社を訪れ、武雄氏以外のロッテHDの全取締役の解任を発表した。解任は株主総会の決議事項であり、まったく有効なやり方ではない。

□ワンマン振りを発揮したが意味がなかった

■これを受けて、ロッテHDは取締役会を開き、宏之氏による解任通告は無効であることを確認。また、武雄氏が持つ代表権を外す人事を発表した。一方、韓国ロッテ側も「本事案は日本のロッテHDの取締役会の独立した議決事項。韓国での事業とは直接的な関係はない」と発表した。

日韓分割の後継体制が崩れる

 騒動の伏線は、日韓両国で事業を展開するロッテHDを率いる兄弟2人の後継者による分割経営にあった。

 これまで日本は長男の宏之氏、韓国は二男の重光昭夫(韓国名・辛東彬)韓国ロッテグループ会長が、父親の武雄会長(韓国では総括会長)の意を受けて経営を行ってきた。それが突然、今年1月になって宏之氏が日本ロッテHDの副会長職から解任された。当時、昭夫氏は韓国の記者に対し、「父親がすることだから、よくわからない」と打ち明けたことがあるが、その理由は今でもはっきりしていない。

□これをまとめると
 日本ロッテホールディングス(HD)グループ副会長を解任された長男重光宏之
 日本ロッテホールディングス創業者である父の重光武雄会長(韓国では総括会長)
 韓国は二男の重光昭夫韓国ロッテグループ会長

 重光武雄が長男重光宏之を副会長からおろしておきながら、会長の重光武雄が一緒に言って役員を全員首にして、それを宏之が発表する。おかしな構図だ。

■7月15日には、昭夫氏が日本ロッテHDの定期役員会で代表取締役に選任され、日韓ともにロッテグループの指揮に立つようになった。これで、ロッテHDの後継者問題は終わったと思っていたところに、今回の宏之氏による行動が起きた。

□このいざこざで次男の昭夫氏が日本ロッテHDの定期役員会で代表取締役に選任され日韓ともにロッテグループの指揮に立つ。ようするに日韓とも次男が手に入れた

■現在のロッテグループは、事業規模や業績面において日韓で大きく差が開いている。日本で「ロッテ」といえば、製菓メーカーやプロ野球団とのイメージが強い。だが韓国では、百貨店や量販店などの流通業、製菓、化学と多種多様な事業を展開する、同国5位の一大財閥だ。傘下の企業数は日本の37に対し、韓国は74となっている。

□いつの間にか韓国に抜かれてたってことだな(笑)

■2014年の日韓連結財務諸表によると、売上高は6兆5000億円、営業利益は2300億円、総資産は8兆9000億円に上るが、売上高の90%以上は韓国ロッテが占めている。一方、日本ロッテは韓国ロッテグループにおける持株会社的な存在であるホテルロッテの株式19%を持つ筆頭株主だ。

□ようするに韓国の方が金を稼いでいるが、株式を持ってるのが日本だから指揮権が日本にあるということ。

■ 発端は宏之氏の株買い増しか
 年初からのロッテのお家騒動について、韓国財界では当初、宏之氏が武雄氏の信頼を失ったことに起因しているとの見方が根強い。その背景にあるとみられるのが、宏之氏の背信とも取れる行為だ。

 宏之氏は2013年8月に韓国ロッテ製菓の株式643株を買い、それまでの持ち分3.48%から3.52%に高めた。韓国ロッテグループの株式を宏之氏が購入するのは、10年ぶりのことだった。さらに、昨年にも同社株を購入して持ち分を3.96%にまで高め、弟との持ち分5.34%との差を縮めていた。

□韓国のっとりに見えたわけだが、結果的に日本がのっとられる(笑)

■韓国ロッテ製菓の株を買い集めるのは、韓国ロッテ内で同社の地位が非常に重要なためだ。ロッテ製菓→ロッテショッピング→ロッテアルミニウム→ロッテ製菓と続く、一族による企業支配を高める「循環出資」体制において、ロッテ製菓は核心企業になる。

 韓国投資証券のイ・ギョンジュ研究員は「ロッテ製菓はロッテショッピングより売上高や資産規模は小さいが、グループ支配の構図上、ロッテ製菓の持ち分が非常に重要になる」と指摘する。武雄氏の作った「日本=長男、韓国=二男」という後継体制があるにもかかわらず、宏之氏が韓国ロッテ傘下の主要企業の株式を買い集め、弟の経営権を奪おうとしたことで、武雄氏の反感を買った可能性は高い。

□なるほどぼけて長男をおろしたわけではないことがわかる

■ほかにも、武雄氏と宏之氏の対立を指摘する声は多い。たとえば、ロッテの代名詞ともいうべきガム事業で、宏之氏はリニューアルを推進した。が、その過程と結果に対し、武雄氏が大きく失望したという。

 また、日本ロッテHDの佃孝之社長と経営方針をめぐって対立していたという話もある。一方、韓国ロッテの昭夫氏は、武雄氏の念願だった第2ロッテワールド事業を完成させるなど、実績を残した。「父親の意を十分にくんでくれるのは二男、という印象が強く残ったのではないか」との指摘もある。

□なるほどね、対立ばっかり招くが実績の上がらない長男より言う事を聞いて実績を上げていく次男

■韓国の財界関係者は「武雄会長が2013年に股関節の手術を受けて健康が悪化したとき、宏之氏が韓国にあまり来ず、父の指示も何回か無視したという話があった。経営手腕に優れ、父親の指示をよく聞く昭夫氏が、おのずと後継者として考えられるようになったのではないか」と打ち明ける。

□人間的にも次男か

■かつて「韓国経済の中興の祖」といわれた現代グループは、創業者の故・鄭周永(チョン・ジュヨン)氏の息子たちで「皇子の乱」と呼ばれたお家騒動が勃発、グループは分裂してしまった。サムスンも、現在病床にある李健煕(イ・ゴンヒ)会長が後継者とされた際、三男である健煕氏に対し、長男らが反旗を翻したことがある。

 オーナーとその一族を中心とした経営支配という性格や、韓国経済における財閥企業の影響力が原因となり、簡単にお家騒動に発展することが多い。「結局は、オーナーがきちんと後継者をどうするか考えていない証拠」と藤田東アジア研究所の藤田徹代表は指摘する。

□結局財閥ありき後継ありきだからこうなるのだろう

■商社マンとして韓国ビジネスに精通している藤田氏は、今回のロッテのケースを「多くの韓国財閥が2代、3代目を迎えようしている中、まだ創業者が生存し、かつ影響力を持つ少ないケース」と前置きしたうえで、「事業領域が日韓だけだったらうまく機能していくだろうが、すでにグローバル化され、日韓の枠に収まらない。第三国でのビジネスをどうしていくか、武雄氏がうまく交通整理をしていなかったのだろう」と語る。

深まる武雄氏の変心の謎

 今後は、まもなく開催される予定の株主総会が争いの場となりそうだ。宏之氏は自らに友好的な株式を6割以上、昭夫氏は5割以上保有すると主張。ここでも食い違いが見られる。また、今回の騒動を招いた武雄氏の判断の是非についても争われるだろう。

 今回の一件が発覚した後、宏之氏は武雄氏との会話内容の録音と武雄氏の署名がある指示書を韓国メディアに公開した。7月17日に作成されたとの日付がある指示書には、宏之氏をロッテグループの経営全般と財務管理を担当する執行役員社長に任命し、日本ロッテHDの佃社長以下6人の役員を解任すると記されていた。

 これら武雄氏の考えとされる内容が宏之氏側から出されたことと、指示した内容が本当であれば、なぜ今年初めに宏之氏を解任したのか、まったく筋が通らない。宏之氏は「私の経営に父の誤解があった」と韓国メディアに説明しているが、その誤解が解けたからなのか。

□何故父がしゃべらない(笑)

■現在、宏之氏は韓国で「7月初旬に、父が昭夫氏を殴った」「もう一度妥協点を探してみようと(昭夫氏に)提案したが拒否された」「日本で株主総会があれば自分が有利」などと、韓国メディアに積極的に自分の立場をアピールしている。

 8月2日には、宏之氏側が武雄氏のメッセージ映像を公表。この中で武雄氏は「国民に謝罪する」と述べた後、「私を経営から排除した次男(昭夫氏)を許せない、長男が株主総会で勝利し、私も復職する」と述べた。さらに「(昭夫氏を)ロッテ会長、ロッテHD代表に任命したことはない」と述べている。

□この言い分は下町の小さい菓子会社だったら通用したかもね。一応は出てきて長男の言ってることに正当性がある

■韓国中堅財閥の関係者は「今年1月以降、武雄氏と2人の子供たちの間に何があったかは知らないが、結局、まずは長男が継ぐという順番を守るべきと武雄氏が思い直したのかもしれない」と語る。だが「そうだとしたら、あまりにも稚拙な判断であり、今の経営状況に合わない」。

 いずれにせよ、武雄氏は現在92歳。齢を重ねていながら、きちんと将来を見据えて後継者問題を考えきれていなかったのかとの疑問が湧く。前述したように、サムスングループや現代自動車グループは2代目から3代目への移行期を迎えつつある。経営者の後継体制構築がおろそかになれば、今後も韓国でこのような骨肉の争いを目の当たりにすることになるだろう。

福田 恵介

□92歳なのか・・・・・やっぱり少しおかしくなってた?